結婚している二人が恋に落ちた理由 episode 1

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理想の夫婦像が壊れた日

当時の職場に、私が大好きだった先輩がいる。
漫画にもたびたび登場するまなみさんだ。

ある日、まなみさんが旦那さんと電話している様子を、たまたま見かけた。

「今日遅くなるの? ん〜しょうがないわね、わかった。」
「え? なになに? 愛してるって? はいはい、私もよ〜」
(電話プチッ)

その何気ない会話に、夫婦の愛と信頼を感じて、胸が温かくなった。
「ああ、いつか私も、こんな夫婦になれたらいいな」
そんな理想像をぼんやり描いていた。

それから数ヶ月後。
私は、母国に妻子がいる外国人の彼氏との関係について、まなみさんに相談していた。

自分が「一番」になれない苦しさ。
将来への不安。
愛の優先順位に怯える気持ち。

それをぶつけていた私に、まなみさんは静かに言った。

「実はね…私も不倫してるのよ」

その言葉は、まるで軽い衝撃ではなく、
私の世界観を一度ひっくり返すくらい重かった。
さっきまで「理想の夫婦像」に見えていた光景…

あの電話の「愛してる」には、
どんなニュアンスが隠れていたのだろう?

次はまなみさんが不倫に至った理由を、
私が知る範囲で書いていきます。

愛しているのに抱けない

「42歳の時に思い切って旦那に言ってみたの。
 二人目が欲しいって。
 年齢的にラストチャンスだと思ったから」

結婚して娘が生まれて
毎日は慌ただしく過ぎていった。

子育てに必死になるあまり、
いつしか「夫婦の夜の営み」は消えていき、
気がつけば何年もレスだった。

それでも二人目が欲しくて
勇気を振り絞って伝えた。

そして久しぶりに体を重ねた夜。

いよいよ挿れようとした、その瞬間。

「あれ……?」

旦那さんの、困ったような戸惑ったような声がした。

体を動かしている気配はあるのに
どこか噛み合ってないような空気。

「どうしたの?」と聞くと

旦那さんは一度だけ大きく息を吸って

そして
信じられない一言を発した。

「ごめん…
 お前とは無理だ。」

まなみさんは咄嗟に背を向け、
「もう知らない!」と言い放ったと言う。

そんなまなみさんに向かって、旦那さんは必死に言い訳を続けた。

「いや、お前のことを嫌いになったわけじゃないんだ。
 愛してるんだよ。愛してるんだけど…!」

愛している。
でも抱けない。

その矛盾した言葉を聞いた瞬間、
私はまなみさん本人を目の前にして
何も言うことができなかった。

まなみさんは遠くを見るような目で言った。

「ベッドの中で泣いたわよ。
 バレないように、声を殺してね…」

LINEの誤送信と嘘の始まり

旦那さんからの「お前とは無理だ」という拒絶。
その言葉の意味が
後になってもっとハッキリと形になる出来事が起きる。

ある日の夕方、
出張中のはずの旦那さんからLINEが届いた。

「◯◯(東京にある地名)に着いたよ」

…あら?

今日は九州に出張だと聞いていたはずなのに。
どうして東京にいるの?

まなみさんが違和感を覚えながら、
そのメッセージをもう一度読み返した瞬間。

画面の文字がふっと消えた。

…送信取り消し?

まるで最初から何もなかったかのように、
メッセージは跡形もなく消えていた。

まなみさんの胸の奥で、何かが軋む音がした。

私は息を呑んだまま、まなみさんの話に聞き入ってた。

そして、
まなみさんは箸を置いて、小さく息をついた。

「女の直感って当たるものよね。
 やっぱり旦那、外に彼女がいたのよ。」

あとがき

あんず

第1話をご覧いただきありがとうございます!

まなみさんからこの話を聞いた日のこと
今でも鮮明に覚えています。

当時の私は
「愛しているけど抱けない」
という感情がどうしても理解できなかったです。

だから、うまく共感できず、
ただ驚きと混乱…。

でも結婚した今ならよくわかります、
まなみさんのこの時の気持ちが。

\ よく当たる性格分析がポイント?/

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