
前回のあらすじ
これまでずっとあんずの傍にいてくれたチョンホが、あんずから離れることを決意。

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第8話「それぞれの道へ」
scene 1
意外だった。
まさか、チョンホが
こんなことを言うなんて。
「なんで……?」
私が聞くと、
チョンホは少し視線を落とした。
「日本語能力試験、
どうしても今年中に合格したくて」
少し間を置く。
「あんずもわかってるだろうけど、
今のままだと少し厳しい」
「本腰入れて勉強したいんだ」
それから
少しだけ苦笑いして続けた。
「それに……」
「俺、大勢の人と一緒にいるの苦手なんだ」
「これから人が増えることを考えると、
ちょっと息苦しくなってきてさ」
チョンホはそう言って、
ベンチから立ち上がった。
本当は、
理由はそれだけじゃない。でも、その言葉は
口には出さなかった。

scene 2
どうしよう。
チョンホがいなくなるなんて、
考えたこともなかった。
胸の奥が、
急にざわざわしてくる。
不安だ。
不安すぎる。
でも——
私は、
チョンホに日本語を教えてきた立場だ。
日本語能力試験にも、
絶対に合格してほしい。
ここで私が引き止めたら、
きっと後悔する。
チョンホの邪魔だけは
したくない。
そう思ったのに——
気づいたら、
私もベンチから立ち上がり
チョンホの服の裾を掴み、
言葉が口から出ていた。
「でも…」
チョンホがふりかえって私の顔を見る。
そして私は困ったように笑った。
「チョンホがいないと、私…」
そこまで言って、
自分でもびっくりした。
視界が、急ににじむ。
「あれ……?」
気がついたら、
涙がこぼれていた。
慌てて手の甲で拭う。
「ごめん…」
自分でも、
なんで泣いているのかよくわからない。ただ、胸の奥が
ぎゅっと締めつけられるみたいだった。

scene 3
チョンホは、
しばらく何も言わなかった。
それからゆっくり顔を上げて、
私をまっすぐ見た。
私は思わず息を止める。
ほんの一瞬、
時間が止まったみたいだった。
次の瞬間、
チョンホは一歩、
私との距離を詰めた。
そして——
そっと、
私を抱きしめた。
突然のことに、
私は動けなかった。
でも、
チョンホの腕は、
驚くほど優しかった。
耳元で、
小さな声が聞こえる。
「…ごめん」
少し間があって、
チョンホは続けた。
「今日、会長の件がうまくいったら
あんずに言おうって決めてたんだ」
「最後まで手伝えなくて、
本当にごめん」
そう言うと、
チョンホはギュッと力強く私を抱きしめた。
チョンホの腕の中で
私は声も出さずに泣いていた。
夕方の風だけが、
静かに吹いていた。

あとがき
あんず第8話をご覧いただきありがとうございます!
この時の私は本当によく泣く…
今は全然泣かないけどね
旦那も私の泣き顔を見たことないと思うし
いや、逆にたまには涙を流して
ストレス発散した方がいいと思うけどね
もしかしたら
30代で涙を流し尽くしたのかもしれない
チョンホ、遂に物語から退場です




\ よく当たる性格分析がポイント?/










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