35歳「今更恋をする」第5話

前回のあらすじ

ラファエルさんに連れられて行った留学生サポートセンターで出会った柳さんから、留学生会会長の説得をお願いされたあんずはF大学へと向かう。

\ 私の友達もココで出会ってました✨/

目次

第5話「ところで、誰この人?」

scene 1

「俺の大学とは、全然雰囲気違うな……」

チョンホが私の隣で、ぼそりと呟いた。

チョンホの大学は、歴史ある有名校だ。
古さはあるけれど、威厳のある建物が並び、
どこか背筋が伸びるような空気がある。

それに比べて、F大学は新しい。
近未来的というか、
全体的に明るくて、開けた雰囲気だった。

今日、チョンホと一緒にここへ来たのは、
この大学の留学生会の会長に会うためだ。

「チョンホ、ごめんね。
平日の昼間から付き合わせちゃって……」

「今日は授業ないし、
あとでラボに行けば問題ないから。
気にしなくていいよ」

そう言って、少し間を置いてから、
チョンホは小さな声で付け足した。

「それに…」

「…会長が、どんな男なのか気になるし。」

ちょっと不機嫌そうな言い方だった。

「チョンホ、完全に私の保護者じゃん!」

私は笑いが止まらない。

「この間はお兄ちゃんだったのに、
今度は保護者かよ…」

冷たい視線を投げながらも、
どこか優しい表情をしている。

「いつまでも笑ってないで、行くぞ。
柳さん、学生課にいるんだよな?」

私とチョンホは校門を抜けて、
キャンパスの中心にある大きな建物へ向かった。

scene 2

「大学へようこそ!しかも、チョンホくんも来てくれたんですね!」

留学生サポートセンターで出会った柳さんが、
私たち二人を迎えてくれた。

「大学、すごく新しいんですね。
綺麗すぎてびっくりしちゃいました」

F大学の校門から圧倒されたけど、
中に入っても建物の綺麗さにびっくりした。

ガラス張りの廊下。
広い吹き抜け。
床も壁も、どこもかしこもピカピカだ。

「そうなんです。
ここ数年で一気に建て替えたので、
ちょっと未来感ありますよね」

柳さんは嬉しそうに笑った。

その横でチョンホが、
またぼそっと呟く。

「俺の大学とは、真逆ですね…羨ましい…」

「でも、チョンホくんの大学は、
伝統校の雰囲気がすごいじゃないですか。
本当かっこいいです!」

柳さんがそう言うと、
チョンホは少しだけ誇らしげな顔をした。

…いや、そこでマウント取ってどうするのよ…

「それで、今日は会長に会えるんですよね?」

私が聞くと、
柳さんはうなずいた。

「はい。
ちょうど今、空き時間のはずです」

「よかった…!」

私は思わず胸をなで下ろした。

柳さんは学生課のオフィスへ案内してくれた。
中は静かで、
職員さんたちがパソコンに向かって黙々と仕事をしている。

さっきまでの開放的な校舎の雰囲気とは違って、
急に現実に引き戻された気がした。

scene 3

「ここが学生課です。
僕の席、こっちです」

柳さんは手早くパソコンを立ち上げ、
何かを確認しながら言った。

「会長なんですが……
ちょっとクセのある人で」

その言葉に、
チョンホの眉がぴくっと動いた。

「クセ?」

「はい。
サポートセンターでも話しましたが
とても面倒くさがり屋で

…ちょっとワガママというか…」

柳さんは苦笑いした。

私は思わず、
前に聞いた話を思い出す。

―リーダーシップはあるのに、何もしない。

そんな人、いるのだろうか。

「でも、柳さんは
会長が動けば留学生会が変わるって言ってましたよね」

私が言うと、
柳さんは少し真剣な表情になった。

「はい。
正直、彼が動けば、
一気に変わると思います」

柳さんは社用スマホを取り出して言った。

「今から学生課に来るように
メッセージ送りますね」


送信ボタンを押した

その直後に
柳さんのスマホが震えた。

「…返信きました」

柳さんは画面を見て、
一瞬だけ表情を曇らせた。

「え、何て言ってます?」

私が身を乗り出すと、
柳さんは苦笑いした。

「『今、カフェにいる』って」

「え、学生課じゃなくてですか?」

「はい。
しかも『来るなら早く』って…」

なんだろう。
もうこの時点で
ちょっと振り回されている気がする。

scene 4

柳さんは立ち上がって、
私たちに言った。

「本当にすみません…
一緒に来てもらえますか?
キャンパスの中央にカフェがあるんです」

私とチョンホは顔を見合わせ、
柳さんの後ろをついて歩き始めた。

歩きながら、
チョンホが私に小さな声で聞いてくる。

「…どう思う?」

「え?」

「その会長だよ。
変なやつだったら、すぐ帰るぞ」

私は思わず吹き出してしまった。

「チョンホ、ほんと保護者だから」

「しつこい」

そう言いながら、
チョンホは私の少し前を歩く。

柳さんが案内してくれたカフェは、
ガラス張りで明るく、
学生たちで賑わっていた。

おしゃれなコーヒーの香りと、
英語や中国語、聞き慣れない言葉が混ざって、
一瞬だけ海外にいるみたいな気分になる。

「ここです」

柳さんがそう言って、
奥の席を指さした。

そこに、
足を組んで座っている一人の男性がいた。

こちらに気づくと、

男はカップを置き、

気だるそうに目を細めた。

「柳さん、遅いよ」

柳さんが慌てて頭を下げる。

「すみません、これでも急いで来たんですよ。」

男はそれ以上気にする様子もなく、

視線を私の方へ向けた。

「…ところで、誰この人?」

あとがき

あんず

第5話をご覧いただきありがとうございます!

いよいよ、柳さんの大学の留学生会会長、劉くん登場です。

彼は私が描く漫画の登場人物の中で一番かっこいい人だと思います。
普通に芸能人に似てる人いるよね?ってレベルです。

ただ、私の画力ではそれが再現できず…
ごめん、劉くん…!

\ よく当たる性格分析がポイント?/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次