
前回のあらすじ
あんずはチョンホと一緒にF大学へ。
振り回されてる感はありつつも、いよいよ留学生会会長とご対面…!

\ 私の友達もココで出会ってました✨/
第6話「頼もしい仲間」
scene 1
「……ところで、誰この人?」
会長は、
私の方をじっと見た。
その瞬間、
柳さんが慌てて口を開いた。
「この人は、国際交流イベントを企画している方で。
うちの大学でも何かお手伝いできないかと思って、
僕が呼んだんです。
劉くんと会って、話をしてほしくて」
「国際交流イベント……?」
会長は、
まだ状況がよく分かっていない、
という顔をしている。
「初めまして。
あんずといいます」
私は会長に向かって、
一歩前に出た。
「企画書も持ってきたので、
少し話を聞いてもらえませんか?」
会長は、
私の手から企画書を受け取ると、
何も言わずにページをめくり始めた。
カフェのざわめきの中で、
紙をめくる音だけが、
やけに大きく聞こえる。
そのときだった。
「あんず」
チョンホが、
小さな声で言った。
「俺、カフェの外にいる。
終わったら声かけて」
それだけ言うと、
チョンホは振り返らずに、
カフェの外へ出ていった。

scene 2
会長は、
一通り企画書に目を通した。
その間、
誰も口を開かなかった。
ページをめくる音だけが、
静かに響く。
「劉くん。
留学生会も、そろそろ動かないと
予算が減らされてしまいます」
柳さんが身を乗り出して言った。
「後輩たちのためにも、
今この企画に乗っかりましょう」
会長は企画書をテーブルに置き、
ゆっくり私の方を見た。
「…あんずサン、だっけ?」
私は小さくうなずく。
会長は少し首を傾げて言った。
「なんで、こんなことしようと思ったの?」
そして続けた。
「これやって、
あんたに何のメリットがある?
あんた、一ミリも関係ないじゃん」
「…関係ある」
私は小さく呟いた。
「私、前職は日本語学校で
留学生に日本語を教えてたから」
「留学生のトラブルとかも
たくさん対応してきたし、
周りの人たちが留学生を
どんな目で見てるかも知ってる」
言葉を探しながら、
私は続ける。
「でも、私は…
今まで日本語を教えてきた留学生たちが、
ずっとそんな目で見られるの、嫌だし」
少しだけ黙って、言った。
「……なんか、
よく分かんないけど、
動いてみたくなっちゃって」
会長は、
しばらく黙って私を見ていた。
それから、
ふっと鼻で笑う。
「ふーん。
あんた、相当なお人よしだね」
「劉くん!
それはあんずさんに失礼ですよ」
柳さんがすぐに口を挟む。
でも会長は気にする様子もなく、
椅子の背にもたれながら言った。
「…それで、
あんたは、俺に何してほしいの?」

scene 3
迷わず、私は言った。
「実行委員会の会長になって、
留学生代表として、この企画のプレゼンをしてほしいです」
「俺が?」
会長は、少し驚いたようだった。
「この企画を実現するには、お金が必要で……
市から補助金をもらうには、企画書を通して、
プレゼンをする必要があるんです」
「確かに、留学生の生の意見を伝えると響きそうですよね。
劉くん、やりましょうよ!」
柳さんが身を乗り出して言った。
会長は、黙って私の方を見ていた。
そして、ぽつりと口を開く。
「なんか、熱すぎて引くわー」
その一言で、
私は一気に血の気が引いた。
ダメか……
そう思った、そのとき。
「でも」
会長が続けた。
「その熱さ、
逆にちょっと面白いっていうか…、興味あるな」
会長は椅子に深くもたれた。
「俺が会長やるなら、
中途半端なイベントにはしたくないんだけど」
少し間を置いて、
口の端を上げる。
「かっこわりーからさ」
そして、
私をまっすぐ見て言った。
「大丈夫?あんずサン」

scene 4
「本当ですか!?劉くん!」
柳さんが、思わず身を乗り出した。
私は劉くんの目を見て答えた。
「大丈夫です。
かっこ悪いイベントにはしません。」
会長はそれから軽く肩をすくめて言った。
「じゃあ、やるよ」
一瞬、間が空く。
そして少しだけ真顔になって言った。
「留学生、舐められるの俺も嫌いだし。」
柳さんは思わず立ち上がった。
「ありがとうございます!
劉くんが動いてくれるなら、絶対うまくいきます!」
会長は面倒くさそうに手を振る。
「気が早いよ、柳さん。」
そう言いながら、もう一度企画書を手に取った。
「で?
プレゼンって、いつ?」
「二ヶ月後です!」
柳さんが即答する。
「時間ないじゃん」
会長はそう言って、少し笑った。
「まあいい。
面白くなってきた」
それから私の方を見た。
「…あんずサン」
「はい」
「あんた、サポートしてくれるんだよな?」
その目は、
さっきまでよりずっと真剣だった。
「全力でやります。」
私は迷わず答えた。

scene 5
会長は一瞬だけ黙り込んで、
ふっと笑った。
「おっけ」
それから立ち上がり、
柳さんに言った。
「じゃあまず、
留学生会の連中、久しぶりに集めるか」
柳さんが嬉しそうに言う。
「今日から忙しくなりますね」
「俺は元々忙しい」
会長はそう言って、
カフェの外をちらっと見た。
「…あれ、あんずサンの彼氏?」
私は振り返った。
ガラス越しに、
カフェの外のベンチに座っているチョンホが見える。
「えっ、違います。
私の日本語の生徒です」
そう言うと、
会長はニヤッと笑った。
「ふーん。
本当にそれだけ?」
少し肩をすくめて続ける。
「まぁいいや。
俺、この後用事あるから。
また連絡して」
そう言うと、
劉くんはさっさとカフェを出ていった。
少し静かになったカフェで、
柳さんが私に声をかけた。
「あんずさん」
「劉くんが、
あんな楽しそうにしてるところ、
初めて見ました」
「そうなんですか」
私は少し安心して笑った。
「よかった……」
「こんな頼もしい仲間を紹介してくれて、
本当にありがとうございます、柳さん」
柳さんは少し照れたように笑った。

あとがき
あんず第6話をご覧いただきありがとうございます!
このとき、劉くんだけじゃなくて、
他の人にもよく企画書を見せて
一緒にやろう!って誘ってたな
あのとき、なんであんなに頑張ったんだろうなぁ
でもこれがあったから
今の私があるわけだし
この時の私、頑張ってくれてありがとう♡
って心から思うけどね
10年後の私にもこう言われたいわ
(がんばれ、今の私!!!)
でも、真面目な話…
私が企画した国際交流イベントが実現したのは
こういうふうに賛同してくれて
一緒に頑張ってくれた留学生がいたから
劉くんだけじゃなくて、
チョンホもそうだし、
一応ラファエルさんもね…
そして、日本にはこんな素晴らしい留学生がいるってことも
私の話を通して知ってもらえたら嬉しいです


\ よく当たる性格分析がポイント?/








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