
前回のあらすじ
あんずに対して馴れ馴れしい態度をとるラファエルさんから力づくであんずを守ろうとするチョンホ。その一方で、あんずはまだチョンホの気持ちに気づかず…
\ 私の友達もココで出会ってました✨/
第3話「ラファエルからの誘い」
scene1
チョンホが
大学の国際交流課まで案内してくれた。
中には
さまざまな国の学生たちがいて、
思っていた以上に賑やかだった。
奥にはカウンターがあり、
職員たちが忙しそうに仕事をしている。
その手前には
簡単に話ができるソファスペースや、
いくつかのミーティングルームもあった。
チョンホが声をかけたのは、
私と同じくらい、
もしくは少し年下に見える女性職員だった。
「チョンホくんが
誰かと一緒にいるの、珍しいわね」
そう言って、
私の方を、じっと見る。
「あー‥、この人は
俺の日本語の先生なんです。
今日は留学生会関連で
相談したいことがあって」
チョンホが、
私の方にちらっと視線を向けた。
私は慌てて、
さっき市役所で使った資料を取り出す。
留学生と地域団体の
コラボイベントを行うこと。
日程と場所が
すでに決まっていること。
大学の留学生会にも
ぜひ協力してほしいこと。
そして、
留学生会会長のラファエルさんには
すでに了承をもらっていること。
女性職員は
資料にじっくり目を通しながら
黙って聞いていた。
「留学生会は、
役員を中心に
一つの組織として
きちんと機能しているから」
そう前置きしてから
顔を上げる。
「会長がOKしているなら、
基本的には問題ないと思うわ」
少し、ほっとする。
念のため、
実行委員会を作る際、
ラファエルさんを
代表にしてもいいかどうかを聞くと、
返ってきた答えは、
意外にも「NO」だった。
理由を聞こうとした、そのとき。
「あ、噂をすれば……」
女性職員が
入口の自動ドアの方を指さした。
自動ドアが開く。
そこに立っていたのは、
白衣に着替えた
ラファエルさんだった。

scene2
「あれ?
まだ大学にいたんだ」
ラファエルさんは
私たちを見て
軽い調子で声をかけてきた。
「いま、ちょうど
あなたの話をしてたのよ」
女性職員は
そう言って
ラファエルさんを手招きする。
「あなた、
実行委員会に入るとかできるの?」
そう聞かれると、
ラファエルさんは少し考えてから、
肩をすくめた。
「あー……
それは難しいかも」
そして、続けて言った。
「新しく何かを始めるときは、
スポンサーの企業の許可が
必要になるから」
私が何も言えずにいると、
ラファエルさんは
こちらを見て、にこっと笑った。
「これから
ビザの手続きの書類を
確認してもらうんだけど、
その後なら
少し話せるから待ってて」
そして、
何気ない口調で
付け足す。
「あ、
チョンホは
いてもいなくても
どっちでもいいよ!」

scene3
ラファエルさんは用事を済ませると、
留学生談話室に
私たちを連れて行ってくれた。
イベントで中心となって動くには、
スポンサーの許可が必要なこと。
だから、
あくまで「希望者個人」として
参加する形が望ましいこと。
ただし、
留学生への周知は
留学生会のネットワークを使って
しっかり協力できる、ということ。
「……市役所で行われるプレゼンで、
留学生側の代表として
誰かに話してほしいんだけどなぁ……」
そう呟くと、
「あれ?
チョンホはやらないの?」
と、
ラファエルさんがすぐに聞いた。
チョンホは
小さく首を横に振る。
「俺、
そういうの無理」
「学会でやってるみたいに
やればいいのに」
ラファエルさんは
冗談めかして笑った。
「もともと
前に出るのは
好きじゃないから」
その言葉を聞いて、
私は余計に不安になった。
すると、
ラファエルさんが続ける。
「じゃあさ。
その留学生探し、
協力してくれそうな人
紹介しようか?」
少し間を置いて、
「次の週末、
時間ある?
連れていくよ」
私は
ほとんど考える間もなく、
答えていた。
「えっ、ぜひ!!」
そのあとで、
ラファエルさんが
何でもないことのように付け足す。
「あ、
チョンホは
来ても来なくてもどっちでもいいよ。
二人で行くのも楽しそうだし」

あとがき
あんず第3話をご覧いただきありがとうございます!
だからチョンホに嫌われるんだぞ
ラファエルさん…


\ よく当たる性格分析がポイント?/





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