
前回のあらすじ
チョンホの大学でカラスに襲われことで、初めてあんずの髪を下ろした姿を見たチョンホは照れてしまう。
\ 私の友達もココで出会ってました✨/
第2話「気づかないまま」
scene1
さっきまで、
あんなに近かったのに。
急に、
見えない線が引かれたみたいだった。
私は、
伸ばしかけた手を引っ込めて、
何も言えなくなる。
さっきまでの空気は、
もう、そこにはなかった。
「あ…そうなんだ。
ならよかった…」
そう言った、そのときだった。
「あれ?
チョンホじゃん。何してるの?」
私の背後から、
聞き覚えのある声がした。
振り返ると、
そこに立っていたのは、ラファエルさんだった。
「あ、ラファエルさん。
お久しぶりです」
挨拶をすると、
ラファエルさんは、少し首を傾げる。
「え…?
前に会ったこと、あるかな?」
「私です!
あんずです!」
そう言うと、
ラファエルさんはハッとして、
私の顔をじっと覗き込んだ。
「ああ…
髪型が違うのか。びっくりした」
そう言って、
少し笑う。
「可愛かったから、
あんずさんだって気がつかなかったよ。
ここで何してるの?」そのやり取りを聞きながら、
チョンホは、
ただ釈然としないような表情で立っていた。

scene2
「前に話したイベントが、
本格的に開催が決まったんです」
「えっ!?
本当に??すごいね!」
「だから、
これから国際課の方に
報告に行こうかって
チョンホと話してて」
「行こう行こう。
僕が連れて行くよ!」
そう言うと、
ラファエルさんは
私の手を、ぎゅっと握った。
そのまま、
学内に向かって歩き出そうとした、
その瞬間だった。
「大丈夫だよ。
俺が連れて行くから」
チョンホが、
間に割って入る。
そして、
私の腕を引き、
ラファエルさんから引き離した。
ラファエルさんは、
一瞬、驚いたような顔をしたあと、
少しだけ、にやっと笑った。
「ふーん。
わかった」
そう言ってから、
私の方を見て、
「あんずさん、
どうだったか、
また後で連絡して」
それから、
チョンホに視線を向けて、
軽く肩をすくめる。
「チョンホ、怖いから。
研究室に行くね」そう言って、
手を振りながら、
研究室の方向へ歩いていった。

scene3
チョンホと二人だけが残り、
なんとなく、気まずい空気が流れた。
「チョンホ…怒ってる?」
恐る恐る、聞いてみる。
「怒ってない。
心配してるだけ」
私が、
少し不思議そうな顔をしていると、
チョンホは続けた。
「ラファエルは目立つから。
手とかつないで歩いてたら、
すぐ噂になるよ」
「あ、なるほど。
かっこいいもんね、ラファエルさん」
その言葉に、
チョンホは少しムッとしたようで、
「どこがいいのか、
よくわかんないけど…」
少し間を置いてから、
私の方を見た。
「とりあえず、あんず。
髪、結ぼう」
チョンホは、
私の手からシュシュを取り、
黙って髪を結び始めた。
意外なほど、手慣れている。
「チョンホ、
なんで髪、結べるの?」
「よく、妹の髪を
結んであげてたから」
妹さんの髪を結んでいる、
子どもの頃のチョンホを思い浮かべて、
少しだけ、気持ちが和らいだ。
「チョンホって、
頼りがいあるから…
私のお兄ちゃんみたい」
その瞬間、
チョンホの手が止まる。
「あんず、
俺より年上なんだから、
もっと頑張ってよ…」
そう言って、
結び終えた髪を軽く整える。
「はい、できた」
私の肩を、
ぽん、と叩いて、
前を歩き始めた。特に深く考えることもなく、
私はその背中についていった。

あとがき
あんず第2話をご覧いただきありがとうございます!
以前、ラファエルさんにいつ私のことを好きになったのか聞いてみたら
この時だって言ってました。


\ よく当たる性格分析がポイント?/





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