
前回のあらすじ
あんずが企画したイベントの協力者となる方達との打ち合わせの日程が決まり、心細くあるものの一人で向かうあんず。
\ 私の友達もココで出会ってました✨/
第1話「近すぎて遠い」
scene1
今日は、市役所での初めての打ち合わせの日だった。
先日電話で話した地域関連の担当者が、
私を迎え入れてくれて、
そのままあちら側の団体の責任者がいる部屋へ通された。
この人が…責任者。
そう思った瞬間、
思わず心の中で声が漏れる。
―うわ。
70歳くらいだろうか。
年齢のわりに、顔立ちが整っている。
この人、若い頃はモテただろうなぁ。
そんなことを、無意識に考えていた。
市役所の人を中心に、打ち合わせが始まる。
こちらの資料を見せながら、
目的や背景を説明していく。
責任者の男性は、
終始、穏やかな笑顔で話を聞いていた。
打ち合わせが終わり、
私はその足で、チョンホの大学へ向かった。
チョンホは、門の前で待っててくれて
私を見た時
少し不安そうな顔で聞いてきた。
「どうだった?」
私は笑顔で、
「日程まで決まっちゃった……!」
チョンホは私の頭を撫でながら
「あんず、頑張ったな」
チョンホが褒めてくれるなんて珍しい。

scene2
「じゃあ、うちの大学の国際課の職員に
報告しに行くか。
あんず、今、少し時間とれる?」
「私は大丈夫だけど、
チョンホは大丈夫なの?」
「国際課まで案内して、
それから研究室に戻るよ。行こう。」
やっぱり、
チョンホは頼りになるなぁ。
そう思いながら、
チョンホの後ろについて
学内に入ろうとした、そのとき。
「…ん?」
何かが、
私の視界の端を横切った。
カラスが、
私めがけて飛んでくる…?
次の瞬間、
そのまま、
カラスは私の頭に乗った。
「きゃーーー!!」
チョンホは、
何が起こったのか理解できない、
という表情で、
一瞬、立ち尽くしていた。
でも、
ハッと我に返ったように、
カラスを追い払ってくれた。
頭に乗られてしまったせいで、
私の髪型は、
すっかりぐちゃぐちゃになっていた。
地面に落ちていたシュシュを、
チョンホが拾い上げる。
「あんず、これ
あっちに落ちてた…」
そう言いかけた瞬間、
私の顔を覗き込み、
チョンホの表情が、固まった。
髪を結んでいない私の姿を、
チョンホに見られたのは、
これが初めてだった。

scene3
固まったままのチョンホに、
思わず声をかけてしまった。
「チョンホ…どうしたの?」
チョンホは、
ハッと我に返ったように視線を逸らし、
「いや…
あんず、髪、結んでないと
雰囲気変わるなって。
びっくりしてた…」
ぼそっと、そう呟いた。
「え、そう?
髪の毛ぐちゃぐちゃだから、
変だよね。
早く結ばないと」
そう言いながら、
私はシュシュを手に取る。
「いや…
こっちの方が、むしろいいと思うけど…」
そこまで言って、
チョンホの言葉が止まった。
「かわ……」
顔が、
見る見るうちに赤くなっていく。
「チョンホ…?
もしかして具合悪いの?
顔、赤いけど」
心配になって、
私はチョンホのおでこに手を伸ばした。
その瞬間、
チョンホの肩が、わずかに跳ねた。
そして、
一歩、後ろに下がる。
私の手は、
宙に取り残された。
「あ…ごめん」
チョンホは、
それ以上近づかない距離を保ったまま、
小さく首を振った。
「大丈夫。
具合悪いわけじゃないから」
そう言いながら、
視線だけが、
どこか定まらない。

あとがき
あんず第1話をご覧いただきありがとうございます!
カラスに襲われたの事実ですよ?
本当に頭に乗られました。
私の頭、巣だと思われたのかな!???


\ よく当たる性格分析がポイント?/



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